海岸洞窟にて

著者:marimo

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】

1.

リトの寝ている部屋には太陽の光が鋭く差し込んでいた。
「・・・・・。朝?それとも昼?」
まだ寝ぼけている。
リトはゆっくり身体を起こした。
そして青い壺を見つめた。
「・・・ファル、出てこい。」
【ポンッ】
以外に地味な音で壺から出てきた彼女の名前は『ファル』
青のロングの髪。彼女は魔神である。
数ヶ月前、リトは宝石屋の主人に2000Gをぼられた上に、この重い壺を持たされていた。
中から出てきたのが、この少女だった。
ファルはリトの方を向き、
「みいっ!リト遅いよ〜。ファルなんか4時間前に起きてたよ?」
この部屋には時計がない。
「げっ。もうそんな時間かよ〜」
「で?今日はどこに行くの?」
「ん?えと、海岸洞窟の探索にでも行こうかなと思ってる。」
海岸洞窟は一昨日、コボルトをやっと振り切ってたどりついた場所である。
「ふ〜ん。そういえばマスターが海岸洞窟の情報もってるって、昨日リトに言っといて、
言ってたの。」
(きっとまた2000G位払わされるんだろうな・・・・・)
「あ、ああ。ありがとう。」
「みぃ!とりあえずイリスさんに挨拶してくるの!」
ファルは四時間前に起きていただけあって、すっかり元気である。
二人は部屋を出て、階段を下りていった。
トン、トン、トン・・・
タタタタ・・・
一階に下りると、
「あ!やっと起きてきましたね!」
階段の音を聞きつけて、イリスが駆け寄ってきた。
イリスはリトが居候している道具屋の店主である。
「イリスさんおはようなの〜」
「おはようというか、こんにちはというか・・・。とりあえずおはよう。ファルちゃん、
リトさん。」
(うわっ。かなりの時間らしいな。)
イリスはいつもの様に聞いてきた。
「で?今日はどちらにおでかけですか?」
「みぃ!海岸洞窟だよ!」
イリスはそれを聞いて、少し考え込んだ。そして、
「あ、あの〜、海岸洞窟に行くなら、ちょっと探してもらいたいものがあるんですけど。」
また店に出すための材料集めか?とリトは思った。
「ああ、別にいいけど、何?」
イリスは少し赤くなっていた。
「そのぉ、ら、ラビットアーマー、って言うものなんですが!」
「ラビットアーマーァ!?」
「みぃ!それ、ファルも欲しい!」
リトは聞き慣れない物に困惑してしまった。
「えぇ!?何だそりゃ!?」
イリスはもっと赤くなって、リトを突き飛ばしながら、
「とっとにかくよろしくお願いします!」
と言った。
        ドッシーン☆
リトは漫画のように、華麗に外へ投げ飛ばされてしまった。
「ファルちゃん、じゃあよろしくね。」
「うん!いってくる〜!」
リトは腰を上げた。
「いててて・・・。痛っ。はぁ、とにかくまずは酒場で情報収集だな。」
ファルは頷き、二人はゲートを横切りながら酒場へ入った。
 カランカラン・・・
と、いきなり、
「おぉ!寝ぼすけのおでましだぜ!」
タルバイン。
「レジーナ、今何時?」
ピリカ。
「んー。私の腹時計は11時43分。」
レジーナの腹時計は、酒場に時計がいらないほど正確らしい。
彼女の食生活が規則正しいから、と皆は言っているが、真偽は不明だ。
「おお!11時18分の記録を更新だねぇ。リト君!早速メモメモ。」
「おい、マスター!メモるなよ!」
今度はナインが
「そんな不規則な生活は冒険者としてどうなんだ?」
ナインはここに集まっている冒険者の中でも、かなりの先輩だ。
「うぇーん。(しくしく)みんなひどいよぉ。」
横から見ているファルは、
「当たり前なの。ファルはちゃんと7時半に起きてたもん。」
「ははは。ファルちゃんは早起きだなぁ」
「ほんとほんと。ね?ミルコ?」
「俺にふるなよ。」
リトは泣きながらマスターの所へ歩いていった。
席に着くと、
「で、マスター。海岸洞窟の情報は?」
マスターはにっこりとした表情で手を差し出した。
お金を払うのは百も承知の上だったが、たまには無料で教えてくれないかといつも思っている。
「・・・・分かったよ。ほら。」
リトは2000Gを差し出した。
マスターは叫び声のような大きな声で、
「いやぁ!今日は情報が四つあるんだ!特別割引で3000Gだよ!リト君!」
(くそぉ〜!!なんだこのくそ親父〜!!!)
「ん?何か私に対して思わなかったかね?」
ギクッ。
マスターは、こういうときにだけ感が鋭い。ある意味困ったさんだ。
「いえ・・・。はい。1000G。」
(シクシク・・・・・)
マスターは声高らかに、
「ありがとう!では早速、」
「まず隠し扉だが・・・・・・」
隠し扉の話が終わると、
「と、あと二つだな。一つ目は人魚の洞窟の奥には、ほら、ファルちゃんのと同じ様な壺が
あるという。多分、噂の魔神の壺ではないかと言われている。」
ファルは不思議そうな顔でマスターの話を聞いている。
「みぃ?その壺、何色??」
「ん〜・・・・。確か赤やピンクっぽい色だったとかそうじゃなかったとか・・・」
(ふみぃ・・・分かんないや・・・)
マスターはまた喋りだした。
「後一つ、これは何だか変な話なんだが、イカの洞窟の方には友好的なセイレーンがいると
どこからか聞いたな。」
「友好的なセイレーン?」
「ああ。なんか知らないが、襲ってはこないそうだ。」
リトは、マスターの言うことを全て脳にインプット(?)した。
そしてイリスの事を思い出して、
「そうだマスター。あんた、ラビットアーマーのことってしってるか?」
「ラビットアーマー?そんなのが海岸洞窟にあるのかね?」
リトはがっくりと項垂れた。一応約束したからにはイリスの所へ持ち帰らないとどうしようも
ない。
「あ、海岸洞窟にあるなら詳しい奴がいるよ!」
「本当か!?」
「おーい!ミルコとグレイス!ちょっと来い!」
マスターの声を聞きつけたミルコとグレイスはリトとファルの方へ寄ってきた。
「何の話?」
この茶髪でセミロングの髪の女性が、『グレイス』
隣にいる金髪で髪をあげている男性が『ミルコ』
「ラビットアーマー、と言うものなんだが。」
ミルコとグレイスは顔を見合わせた。
それはそうだとリトは思った。いくら海岸洞窟に詳しいと言っても、アイテムの名前がアイテ
ムに貼り付いている分けがないからだ。
「どんなものなんだ?」
ミルコはリトに問いかけた。
「それが・・・」
分からないんだ、とリトが言おうとしたその時、
「ファルは多分、うさぎさんの着ぐるみみたいなものだと思うの!」
「え゛」
(そんな訳ないだろ〜!!!)
ところが、グレイスははっとしたように、
「そういえば前、どこかの洞窟に入っていったとき、それを持ってるセイレーン見たいのが
いたわ。」
「セイレーンって、さっきマスターが話してたのか?それなら話は・・・」
ミルコは手をかざして、
「ちょっと待て。でも馬鹿高かったんだぜ。そのラビットなんとかってやつ。」
「えぇー!いくらだ?」
「忘れちゃったけど、宝石屋さんのゲートクリスタルくらいびっくりしたわ。」
(ゲートクリスタルって、20000Gだよな?)
「でも、イリスと約束しちゃったぜ?どうするかな?」
ミルコとグレイスは、決まってるじゃん!とでも言うような顔で、
「そしたら、俺達といかないか?そしたら敵を倒しまくれば、そのうち金だって貯まるって!」
「そうね。私たちももう一回そのセイレーンの女の子に逢いたいし。」
ファルも参戦して、
「みぃ!そうするの〜!」
・・・・・いつの間にいろいろ決まってしまった。
そういうことで、リトはファルと、ミルコとグレイス達と一緒にラビットアーマーを探す
旅(?)に出ることになりました。

ちょっと小話。1
どうもmarimoです。
初めて小説という物を書きましたね〜。
会話文が比較的多いですね。
というか、海岸洞窟だったらティララの壺の方だろ!と思ったそこのあなた!
まじめな小説をもとめるのであれば、他の人を当たって下さい!(ォィ
他にもつっこみたくなっているあなた!
まじめな小説をもとめるなら他の(略
こうしてみると自分でもつっこみたくなる箇所か何個か・・・
ラビットアーマーってなんだよ!
まじめなのか受けねらいなのか分かん(略
はぁ、はぁ・・・・。
続きが見たい人は下へスクロールして下さい。
真面目な物を求めて後悔しないで下さいね?では一旦引きます。。。

2.

(ラビットアーマーを一緒に探してなんて言ったかなぁ?)
リトはそう思いながら酒場を出ていこうとした。
「おーい!あとでミルコとグレイスの斡旋料金を払ってくれよぉ!」
・・・・・また無駄な出費が出てしまった・・・。
マスターは、お金の事になると頭の回転がひっじょーに良くなる。
やれやれと首を振りながら、リト達は酒場を出た。
グレイスは
「んと、地下水道経由と、ゲートから海岸洞窟に出る経由とがあるんだけど、どっちがいい?

すかさずファルが、
「みぃ!絶対地下水道けーゆなの!」
「??何のこだわりがあるんだ??」
「・・・・・クゥが時々出てくるの。」
「あ〜はいはい。見つけたら(多分)とってあげるよ。」
リトは出てこないだろうと思って適当な返事をした。
グレイスは、
「ね、もし捕まえたらその尻尾もらっちゃだめ?」
「みぃ〜〜〜。イカの刺身をとってカーさんの所で交換するの!」
「か、カーさん?」
「カーミラのお姉さんなの。」
それにしてもカーさんってなんだ?
普通にカーミラでも良くないか??
「ははは・・・それもそうだね。イカしかあそこいないし。」
ファルは納得してくれたことでほっとした。
「じゃ、まずは地下水道に向かって、れっつごぉ!」(グレイス)
「ごぉ!なの〜♪」(ファル)
「(な、何かグレイスとファルしか目立ってないような!?)ごー・・・」
「(俺が一番目立ってないぜ・・・)ごー。」

しばらく一行は、薄暗い地下水道を歩いていった。

と、
「あー!!!!!クゥ発見!!リト、早く取って!」(ファル)
「ええ!!こんな早くでてもらっても困るんですけど!?」(リト)
(本当に出てくるなんて思わなかったし!!)
「もたもたしないでぇ!早く!!」(ファル)
「きゃあああー!!!!クラゲェ!!!」(グレイス)

     ギュッ

「きゃー!ミルコさん取ってくれたのぉ!」
「ん?ああ、何となく。ほら。」
「わぁあー!クゥなのぉ!ミルコさんありがとう!!大好き!+だっこぎゅー。
もう!リトは全然取ろうとしてないんだから!!」
「ご、ごめんなさい・・・・次から絶対取ります。」
「みぃ。絶対だよ!」
「はい・・・・・・」


【あら、あの人が海岸洞窟へ向かって来てるわ。
とうとう私も壺の生活とおさらば出来るのかしら・・・?
でも、その前に他の女の尻に敷かれているようじゃだめね。
おしおきしなくっちゃ♪】


     ゴロゴロゴロ・・・・ピカッ!ドンガラガッシャーン☆
「何の音?」
「さあ?」
ここは天井があり、とても雷がふってくる様には思えない。
三人は後ろを見た。
「きゃぁあああ!!リトに直撃してるよ!!」
「くらげって、雷の魔法使ったっけ?」
ミルコは首を振った。
「とにかく、リトは俺が背負って行くから、グレイスとファルはクラゲを頼む。」
「うぃ〜っす!」
「了解♪なの〜」

ファルとグレイスは途中でクラゲを切り裂き、刺身にしながら進んでいった。
シュッ!
「ふぅ。多いな。クラゲ。。」
「「シュッ」」
「?音が重なった・・・?」
三人は(実際にはあと一人)注意深く、壁をつたいながら奥へ進んでいった。
奥には、赤い髪の女性がいた。身なりは図書館で寝込んでいた、あの少女と似ている・・・
ここでやっと目が覚めたリトは、何故か不意に後ろから、
「あ、あの・・・」
「「「!!!だめ!!!!」」」
遅かった。
「私の後ろに立つ物は・・・・・死ぬ!」
         シャァッ!!
綺麗な剣音を立てながら、リトは永遠の・・・
「だ、だめぇ!!!」
ファルの声に気づいたのか、女性はこちらに振り返った。
「え?あ、あらぁ?」
女性は、リトの亡・・・いや、遺・・・。とにかくリトを見てから、ファル、ミルコ、グレイ
スを見渡し、
「あ、あら、嫌ですわ。私ったら。クラゲの刺身を取りにきたのはいいんですけど、道に迷っ
てしまって・・・」
「少し、道を教えてくださりませんこと?」
後戻りが嫌だったのか、ミルコは
「ここをずっと北に行き、分かれ道があったら、東へ行くんですよ。」
女性はにっこり笑い、クラゲの刺身をさしだした。
「ありがとうございます。お礼と言ってはなんなのですが、これをお受け取りください。」
「は、はぁ。。。」
女性は颯爽と、
「では〜♪ご健闘をお祈り致しますわ〜♪」
と、言い残し、去っていった・・・。
「???何だったんだ?一体?」
「さぁー?」
「!そういえば、リトは大丈夫なの?」
三人は、はっとリトを見た。
「こ・・の物語・・・・に、け・・・つまつ・・・・を・・・」
「みい!それはパクリなの〜!!ちょさっけんほうの侵害なの!」
「さっさと薬草よこせ!」


三人は、時々敵を蹴散らしながら、リトの状態を見ていた。
「ふぅ。これじゃ、ラビットアーマーとやらは、遠いわね。」
「ああ、っつーか、なんでそんなもの探してるんだ?」
「イリスさんに頼まれたとか。断りきれなかったんじゃない?」
「ふぃ〜。眠いの〜。」
「・・・・・そうね。1時間交代で、敵の様子をみながら・・ね。」
「俺はまだ大丈夫だ。眠くなったら、起こす。」
「みぃ・・・よろ・・・し・・・・・・・・クー。」
「やだ!ファルちゃんったら、寝ちゃってる!・・・ま、ミルコが様子をみてくれるんなら、
私もちょっと仮眠をとるわね。」
「リトが、起きてくれれば尚良いのだが。」
「ま、気がついたら起きるでしょ。じゃ、気が済んだら起こしてね〜」
「ああ。」
・・・くーかーくーかー。
「早ッ。」


朝になると、四人は見事に眠っていた。
敵は幸いにも入ってこなかったらしい。
ミルコとファルはほぼ同時に起きた。
「ふぁあ。あ、お早う。」
「ふぃ〜。みぃっ!?」
ぐーがーぐーがーぐっ!?・・・ごぉぉおおおー
「は!誰!?こんな大きな寝息を立てるのは!?」
グレイスさんのお目覚めです。
「お前だよ・・・」
「う、うそ・・・」
ファルはリトを見つめた。
「ね、リトって、明らかに寝すぎだよね?」
「だな。」
「どうやって起こす?攻撃じゃまたへばっちゃうし・・・」
「・・・・・バマーなの。」
「「え?」」
「バマー!!」
ビシャッ!
「は!」
その逆水は、リトの足の付け根あたりに、見事に命中した。
「う、うわぁー!!!お、俺は○○才にもなって、まだおもらしなんかー!!」
「大丈夫なの。バマーなの。」
「あ、あぁ、すまん・・・」
グレイスは、光の当たらない地下水道の天井を見上げ、
「と、メンバーがそろったところで、海岸洞窟にむかって、再出発だ!!!」

ちょっと小話。2
もうちょっと!リトにもうちょっと目立たせてあげないとぉ!
そこにいる意義がなくなってしまう!
3では復帰することになるといいです・・・。
え?私が復帰させるんだって?
・・・・・話の成り行きで、そうなればいいんですが(ォィ
と、今回はミルコとグレイスを目立たせて見た・・・というかなってしまったw
あ、死ぬとかそういう設定はありませんので、大丈夫ですよw(何

3.

「グレイス、何かやってもらったところ悪いんだが・・・・・」
「何?ミルコ。」
ミルコは前を指差した。
「もう地下水道の出口が見えてるぞ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グレイスは何も言わずに歩き出した。
思わず吹き出しそうになったが、ぐっとこらえてリトとファルはグレイスについていった。
光に向かい歩いていく。

そして地下水道を抜けると一旦草原に出た。
「いい風だな。水道の中は湿気だらけだった。」
「みぃっ!そうなの〜♪」
グレイスは振り返り、
「さっ。リト君、ファルちゃん、もう少しだよ。」
四人は海岸洞窟の入り口をくぐり抜けた。

入り口を抜けると、光が差し、潮風の爽やかな風が吹いてきた。
「ここにくるとすごくいい気分になるんだよね〜イカがいなければ更に。」
「きれいなところなのっ。」
「まぁ、いいのはここら辺だけだな。一歩外に出るだけでイカ達が追いかけてくるからな。」
「何とか撒かないとな・・・」
などと話しながら一行は外に出た。

と、すかさずテンタクルスとギガンテウスはリト達を見つける。
そして凄まじい勢いで一向めがけて追いかけてきた。
「うわっ!!何度見ても青イカめっちゃでかいし!!早いし!!」
「グレイス、とりあえず黙ってろ!」
走りながらリト達は会話を交わした。
「ハァ、ハァ・・・・そのセイレーンの洞窟ってどこだ?!」
「・・・・・・・前見たときは適当に歩いて、というか走ってたから・・・・その・・・・」
沈黙。
「みぃ。」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

黙ったままリトは、イカの少ないところに腰を下ろした。
「フゥ・・・・・その場所、覚えてないのか?」
「いや、本当に適当に歩いてたから。」
「でも結構道なりに歩いてたよな?」
グレイスはうん。と頷く。

「イカさんが追いかけてくるよ!」
ファルが突然叫んだ。
「くっ・・・!もう追いかけてきたか!」
と言いながらリトは後ろに体重をぐっとかけた。
    ゴゴゴ・・・・・
隠し扉だった。反射的にその中へ入っていく。
しかし・・・
そこにはテンタクルス、ギガンテウス、そしてクラーケンが一匹ずついる。
ファルはリトの影に隠れ、グレイスは顔をしかめ、ミルコは剣を構え、リトも戦闘態勢に入る。

「くるぞ。」
ミルコの一声で戦闘になる。
ファルはあまりの迫力に気を失ってしまう。
「ファル?う、嘘だろ・・・・」
「仕方がないわ!リトはファルちゃんを見ていて。私達が応戦するから!」
壁を伝い、隅の方でリトは座り込む。
今の力、しかも二人ではあの三匹を倒すのは無謀とも言える。
もう少し、もう少しだけでも力があれば・・・・・・!!

グレイスは剣でクラーケンを切った弾みに転倒してしまった。
その不意を突き、クラーケンはグレイスを触手で締め上げる。
「う・・わ・・・・」
口を塞がれているので、喋る事すらままならない。
「グレイスッ!!」
ミルコは叫んだ。
リトも加わろうとするが、ファルを置いてはいけない。
結局ファルを抱え込み、クラーケン達に向かい突進していく。
今クラーケン達を倒すのは無理だと分かっている。しかし、グレイスを助けなければ。
今度はリトとファル目掛けて触手を振ってくる。
締め上げられ、地面に叩きつけられる。
「クソッ!どうすれば・・・・!?」
ミルコは一人で戦う事になる。いや、その前にクラーケンの触手が回ってくる。
       ヒュッ・・・
鈍い音を放ち、ミルコを直撃する。
そして、またクラーケンの手がリトの方へ・・・
(もう・・・本当に・・・)

永遠のように感じられた。しかし、一瞬の出来事だった。
           
              【ラナ・ハーム】

敵が消えて行くのが分かる。しかし、意識が遠のいて闇を唱えた人物までは捉えられなかった。

ちょっと小話・3
ふぅ。やっと真面目になってきた?(笑
ちょっと短い感じもしますが………
さ、ちゃんとルーのお店まで着いてラビットアーマーを買ってほしいですねっ♪(何

4.

目が覚めた所は、敵のいない小さめの洞窟だった。
不思議なことに、先程の戦闘で傷ついた所が完全に癒え、体調もすっきりしていた。
「あ、リト起きた〜♪」
「あ、あぁ、、ファルか・・・・どうしたんだ?」
「カーミラさんだよ!」
「カーミラ・・・?」
金髪のショートに紺の帽子を被った女性。まさにカーミラである。
「おっお目覚めだね〜☆」
「え、っと??」
「そうそう、ルーちゃんの店に癒油を買いに行く途中に、あなた達を見つけたんだ。
なんか危なげだったから、闇魔法で助けてあげんたんだよ〜」
「ど、どうもです。っと、ここは?」
「「ルーのお店。」」
グレイスとミルコも出てきた。
「え?じゃあ、ここが?」
「そうだよ〜♪ここ、ルーちゃんのお店。ちなみにあなたたちの傷が癒えているのはルー
ちゃんの癒油のおかげ♪」
カーミラがそういうと、奥から小柄なセイレーンが出てきた。

「もう大丈夫?」
ルーが四人に聞く。
「大丈夫なの!ルーさんありがとうなの!」
「どういたしまして。あ、」
と言い、ルーは手を差し出す。それはまるで、酒場のマスターの・・・・
少し嫌な予感がした。
「癒油四つ。4000Gだよ。」
リトは笑った。泣きながら。
「はひ、、どうぞ。。(泣)」
なけなしのお金を渡す。と、
「・・・・・・・・・?あ、あ、あ、あれはー!!」
「ラビットアーマァさんだ♪」
「えっと、値段は・・・・・・・・・・」
「25000G。」
静かにミルコが言う。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うわ。」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「どーすんのさっ?」
「どこか手頃なところでモンスター狩りするしかないだろ…?」
「くすすっ。もしかしたら、魔神の壺高く売れるかもよ〜?」
「おっ、ファルちゃんもなかなか悪で...キシシシ...」
「だって、海岸洞窟にある壺って、ピンクの壺なんでしょ?クスス...」
なんのつもりだ?この二人は...
「ん〜そーだなー、、あてもないし行ってみるか。」
「結局行くんだな...」
「いいじゃんいいじゃん、魔神の壺、見てみたいもん!」
「行ってきなよ...あたしはここで待ってるからさ...」
怖い。何か分からないが怖い。
「あ、でも人魚の洞窟までつれってってあげる♪そこからは自力だよ?」
「本当か?ありがとう。」
「何言ってるの?ひれ、5個だよ?」
(..................鬼。)
「どうするの?」
「いいんじゃないか。」
「そうなの〜連れて行ってもらうの〜」
「しょうがないよな...」
「契約成立〜(=ー=)ニヤリ」
「な、何だその顔は!!!」
「気にしないっと。さ、行くよ。テレポート♪」
「えええ!?まだ心のじゅ...」
           パアアッ
「「「ストンッ」」」
ベシャッ
「...グレイス、大丈夫か?」
「う〜〜〜いたたたた...」
「じゃあバイバ〜イ♪」
    シュンッ
「まるで風のようなの〜」
「で?どうする。」
「奥に...進むしかないでしょ。」
「マーメードさんとセイレンさんはファルの風魔法で一発なの。ウェパルに捕まったら保障はないよ〜」
「明るく言うな、ファル。」
四人は足を進める。

奥に進むまで、無数のマーメイドとセイレーンが襲ってくる。
三人の攻撃とファルの魔法で追い払っていく。

「おー!いっぱい倒したからいっぱいお金が出来たね。」
「ああ、まだまだだけど......」
「もうちょっとだよ!結構進んだし...」
「と、言うことは壺がもうすぐってことなの?(そうしたら壺をああしてこうして...)」

四人はどんどん進んでいった。
敵を散らし、宝箱を開けていきながら。

「あれ?ここだけ随分ガランとして...」
「気をつけろ!!」
ミルコが叫ぶ。
赤イカがいる。
「よくみろ。あの後ろに少し色が違う壁がある...恐らくあの奥だな。」
「クラーケンが...」
「一体だけなら、何とか避けられるかもしれないの。」
「................................................よし。今だ!」

合図とともに三人は走った。
クラーケンはすかさず三人を視界に入れる。
「みいっ!風魔法で少し遠ざけるから!!」
             【ゼレム・サー!!!】
クラーケンは水の中へ落ちた。
落ちたクラーケンはまた這い上がってくる。
「早く!奥へ!」
ググ...ゴゴゴゴゴ......

   ドサッ

「ふぅ...何とか...間に合ったな。」
「まさにスリルとサスペンス!(?)」
「ん?」
「あ、ピンクの壺はっけ〜ん♪」
壺は発見した。...ものの、その前に壺を守る従者が居た。
          ウェパル。
「ウェパルか。HPはイカなどに比べて低いが、まだ我々のレベルではどうか...」
「みぃ?」
「あれ、ファルちゃんどうした‥」
ファルが歩いていった先には、大きな箱があった。
「なんか今まで出てきた他の箱に比べてでかいな...」
「開けてみる?」
「みい♪あけるの〜」
「じゃ、じゃあ、開けるぞ......」
リトがゆっくり扉を開ける。
「えっ何これ...」

4、ちょっと小話。
ティララの壺を見つけましたが、この物語がそんな王道に行くわけがないのでありました。
ティララの怒りが向けられるのはいつの日か...<もはや文章になってない。

5.

箱の中には一通の手紙が入っていた。
「...?」
「ミルコ、読んでみてくれ。」
「ああ、、


To.ここまで辿り着いた勇敢な冒険者達へ。

私はこのウェパル以外に敵のいないこの場所が好きだった。

この箱の中へ我が財産をコツコツと収めていた。

ある日、あの壺が魔神の壺だと知り、ウェパルに戦いを挑んだ。

戦いは好調であったが、不意をつかれ致命傷を負わされた。

私の命はもう長くない。

せめてゲートへ行き、町へ戻って命絶えたいものである。

そして、この箱を開けた冒険者へ、この財産を分け与えたいと思う。

どうか、真実まで辿り着いてほしい。

                              from.アルコフ


「......アルコフ?あの図書館に日記があった?」
「多分。恐らく。」
グレイスは箱の奥を覗く。
「おっ、これ二重箱になってるみたい。」
グレイスは二重の箱を開けた。
「きゃあ〜!!すごいの〜☆」
「こ、こんなに??」
「ひぃ、ふぅ...って数え切れないな。」
「これでラビットアーマー幾つも買えるけど、どうやってあそこまで持って帰るか...」
    
シュンッ 

「じゃーん!呼ばれて飛び出てパッパラッパー☆のカーミラお姉さんでーす♪」
「え...」
「カーさんなの〜」
「ったー!!どうせここまでこれるんならテレポートしてくれればよかったのに!!」
「ノンノン♪それじゃ、冒険者として失格でしょう。」
「(というか、カーミラってこんなキャラだったっけか??)」
「さー、じゃ、みんな捕まって。ルーちゃんのお店へレッツゴォ☆」
「「レッツゴォ☆」」(byグレイス&ファル)
「「何だかなぁ...」」(byリト&ミルコ)


「75000G確かにお預かり致しました。またのご利用をお待ちしております。にゅー」
「ん?ファルとイリスので50000Gじゃないのか?」
「そのお姉さんが買うって言ったよ...」
「グレイス、お前...」
「(かああっ)いっいいじゃん!!酒場で着回しするんだから!!」
「いや、答えになってないし。」
「まあ、無事に買えたし、帰ろうか。」
「みぃ。疲れたの〜」
「おつかれさま〜〜」
「みなさんお疲れみたいだからカーミラお姉さんが連れてってあげよっか?」
「あ、じゃあ地下水道まで。後は帰れますから。」
「そうー?じゃ、地下水道までね。」

=地下水道=
「はい、ついたぁ〜」
「アリガトウなの♪」
「どう致しまして〜ではでは、また会う日まで。あでゅ〜☆」
「さ、じゃあ帰ろ...」
トンッ
「あ、すいません!」
「うっ、、、またお会いしてしまいましたわね。」
「ユーノさん!?まだ迷ってたの??」
「そうみたいです。。出口まで送っていただけませんか?(////)」
「ま、帰るとこだし、いいよな?」
「「「OK〜」」」


ティララの別荘。

あ...れ...?
このストーリーって、
囚われの姫(つまりティララな訳だが)を
かっこいい王子様(つまりリトみたいな訳だが)が助け出すって言う、王道ストーリー
じゃないわけ!??
なんか知らないけど女が3人もいるし...あーむかつくー!!!!!!!


ピカッ
「雷?」
ゴロゴロゴロゴロドンガラガッシャーーーン!!!!!

その雷は、見事にリトとファルとグレイスとユーノに落ちました。
ミルコは四人を引っ張っていく羽目になりました。
ミルコは心に誓いました。
「このメンバーで二度と冒険には出ない」、と。

=町=
「あれ!!??ミルコさん!??」
「イリス...この四人どうにかしてくれ...」


さて、その後の後日談ですが、女神の怒りは最高点に到達し、
閉ざされた島は嵐が吹き、隕石が落ちる大惨事となりました。
町の人や、魔物はひたすら女神の怒りが治まるのを待ちました。

どうしてこのようなことが起こったかは、誰一人知るものはいなかったと言う事です。

あとがき。
えー、ここまで読んで下さり誠に有難うございました。
あとがきにはゲストとしてミルコさんとグレイスさんを呼んであります!!
「こんにちは〜」
「疲れた...」
えー感想&疑問点をどうぞ!!
「いっぱいありすぎるな...」
「最初に、なんでラビットアーマーなのかだよね。」
あー、多分みんな思うよねー
一時期、おえびでラビットアーマーネタがあったんだな。
その時小説書きたいなーとか思ってたから、これは使える!って思ったの。
「(どこが...)」
「次に、なんで私たちが出て来るか。」
それはゲーム中には、あなたたち海岸洞穴で息絶えるでしょ?
「知るかー!!!んなこと!!!」
だから、そういうことがあったから。
ラビットアーマーは海岸洞窟で仕入れなきゃいけないし。
冒険者をサブキャラとして出したかったしね。
「サブ、というよりはメインだな。」
「あ、あとー、途中で出てくるおば(蹴)、、お姉さんはだれ?」
ティララ。光の女神だからねー雷も落とせると思って。
なんか豪華な演出がしたくってね。
「もうこの小説壊れかけてるな。」
「しょうがないよ...作者が壊れちゃったもん途中で。」
................(////

終わり。

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